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金森重樹プロフィール
1970年生まれ
25歳年収240万円のフリーターのときに負った5400万円の借金が5年間で利息と遅延損害金で1億2700万円まで膨れ上がる。
また、その借金は免責不許可事由に該当するため自己破産もできない状況に追い詰められる。
会社に就職してサラリーマンになるとともにマーケティング技術を極め、その後独立し10年かかって借金の完済に至る。
この借金の塗炭の苦しみから得た気づきを基に、借金で苦しむ人間同士が困難を切り抜けた人を交え、お互いに助け合える相互扶助のコミュニティを作る。
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裁判当日


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僕は、その日、東京地方裁判所民事第32部の外にある廊下のベンチに腰かけて、弁護士が和解室でKさんと話し合った結果を知るために、じっと待っていました。 僕とKさんは、裁判官に交互に呼び出されて、双方の言い分と和解の提案について聞かれていました。 弁護士は、何十分か前に和解室に入っていったまま、出てきませんでした。中には、Kさんと裁判官と弁護士がいて、和解成立の可能性を探っていました。 裁判所というものは、だいたいにおいて判決をすることを嫌がります。 それは、裁判しても長くかかるし、和解でさっさと問題を片づけたほうが裁判官の事件の処理件数が増えて、人事評定が良くなるからですね。 時間がかかっているということは、Kさんが和解を嫌がって裁判決着しようとしているということでしょう。和解に持ち込めなければ、僕にはKさんの請求金額を支払うだけのお金がありませんでした。 Kさんが本気で執行をかけてくれば、おそらく僕は破産させられるでしょう。でも僕が抵抗した場合には、Kさんは十分な回収金額を得られないかもしれません。そんな馬鹿げたことはKさんのメリットにならないから、最終的には和解するのではないかと僕は考えていました。 そうやって人もまばらな廊下のベンチで頭を抱えて、目をつぶって、じっと考え事をしていたら弁護士が出てきました。_「金森さん、Kさんは感情的になっていて、たとえ損しても構わないから、判決を出してくれと言ってるよ」 なんでこの弁護士が僕にこんなにもくだけた口調で話しかけてくるかというと、僕がいつも行政書士事務所の関連の仕事を出している外注の弁護士で気心が知れているからです。_「でも、Kさんは商売人ですよ。そんなバカなことするかな? 普通に考えたら、最大限の回収を図ろうと考えるはずだけど。最初だから、ちょっと感情的になっているだけじゃないかな?」_「いや、そうでもないらしいんだ。Kさんは金森さんに十分に支払い能力があると言っている。そして、何がしかの根拠があるから、その証拠を次回の和解期日の際に示すと言っているんだ」_「何のことだろうか……。なんか嫌な感じだけど……」_「裁判官は、たとえば1割だけ頭金を支払って、あとは元金を分割というような勧告をしているんだけど、確信を持っているみたいで勧告に応じようとしないんだ」_「そうなると、どうなるの?」_「まあ、聞かなくてもわかるとは思うけど、執行かけてきて破産させられる可能性が出てくるということだよ」 僕にとっては、かなり不本意な内容でした。僕は、5年前の覚醒の日から今までの間に、1億円の現金を作り出していました。ただ、この月は確定申告の月でもあったので所得税の納税のためのお金が必要でした。それと、結婚してから、万が一僕に何かあってもいいように、奥さんは収益用の1棟マンションを自分で買っていました。この月彼女は2棟目のマンションを買う予定で、2・5億円のマンションの諸費用の一部として僕が2500万円を出してあげることになっていました。 それで、僕は即金でと言われれば元本の5400万円までは何とか支払えるけれど、利払いまで入れた1億2700万円までは到底支払える状況ではありませんでした。 ただ、5年間で仮に一括で払えと言われても、元本が支払えるところまで成長した僕ですから、裁判所の和解通り1割の頭金を支払って、あとは分割という形にしてもらえれば、間違いなく支払えます。_「裁判官の勧告内容で和解できれば、なんとかなるんだけどな……」 その頃僕は、すでに不動産会社も始めていましたが、ここで破産させられては会社が潰れてしまって、せっかく大きくしてきた雪だるまがパーになってしまって、払えるものも払えなくなってしまいます。 なんとか和解に持ち込まないと、今までの努力が水の泡になってしまいます。 また、僕は奥さんのとは別に、自分でもマンションを1棟買って家賃収入が入り始めていましたが、これについても破産してしまったら売却されてしまいますし、もう5年間はアパートローンも組めなくなってしまう。そうなると、自分の働き以外で僕を助けてくれる家賃収入という柱を失ってしまって、ゼロからやりなおす時には、5年間は不動産投資による収益はあきらめなければなりません。 そうなってしまうと結局、Kさんはかえって回収に時間がかかってしまいます。 それはそれでまたゼロから始めれば、人生はやり直せるけれど、免責にならなければ痛いです。 だから、僕はなんとか和解に持ち込むように裁判官を説得してほしいと弁護士に伝えました。_「ただ、Kさんも相当変人だな。裁判官も言ってたけど、これだけの金額だから1割回収だってそんなに悪くない条件なんだけどな」 弁護士は、ありえないという顔をして僕に笑いかけました。 僕に今払えるのは、5400万円の元本部分だけ。ただ、それを言ってしまうと、Kさんはそれを利息部分に充当しようと執行をかけてくる可能性があります。 利息の一部として5400万円を取られた上に、また利息と元本あわせて7300万円もの金額をゼロから作っていって、それに毎年年利12%で876万円に加えて年利24%の遅延損害金がついていくのでは、5年前よりも状況が悪くなっているというものです。 人間全くダメな時には、執着は感じませんが、なまじあと少しで払えそうな時には、今まで頑張ってきたものに対してひどく執着してしまうものです。 僕は、とてもじゃないけど、また7300万円、年利12%の借金から再スタートする気にはなれませんでした。 それで、僕は東京地方裁判所から溜池を通って六本木の自宅に戻るタクシーの車窓を流れる春の街の風景をぼんやりと眺めながら、憂鬱になってじっと考え込んでいました。 ただ、僕にはKさんは最終的には、最大限の回収を短期に図る方向に動く可能性も捨てきれないなとも考えていました。 僕から短期に回収できなければ、僕の経済的な事情が変わって回収できなくなる可能性だってあります。とすると、回収できる時に仮にそれが一部であったとしても、回収してしまったほうが得策というのが通常の人間が考える思考パターンだからです。


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